棒ノ嶺(ぼうのみね) ~ 奥武蔵 ~

投稿者
川村 剛史 (1996年卒業)
山行日程
2000年4月23日(日帰り)
投稿日
2000/5/21
行程
JR飯能駅--小沢バス停--小沢峠--棒ノ嶺--白谷沢--名栗湖-JR飯能駅


棒ノ嶺(別名棒ノ折山とも言う)は東京都と埼玉県の県境に位置する標高1000mに満たない山である。どこかのガイドブックでヤマザクラが綺麗な写真を見て興味がわき、コース中にはコマクサも生えているなどの記述があったため、この山を選んでみた。
JR八高線の飯能で降りてバスに乗る。ただし駅から2分くらい歩いたところにあるので、初めて来た人は戸惑うかもしれない。自分も初めてだったが、ちょうどハイキングに行くグループがいたのでくっついていった。バスは西武線の東飯能駅始発なので、すでに登山客で満員。ずっと立ったままで乗ることになった。
「小沢」というバス停で降りる。降りたのは自分を含め4人。他の登山客はこの先の名郷まで行くようだ。バス停からしばらく車道を行くが、このへんではもうヤマザクラが終わりに近い。そのかわりツツジが咲きはじめており、時々ピンク色の花を楽しませてくれた。車道を30分ちょっと歩き、トンネルの手前で山道に入る。そしてほどなく小沢峠に着く。ここから尾根道を行くが、スギの植林が思ったより多くやや興ざめである。登山地図によると、ここらへんから「カタクリ」の表記があり楽しみにしていたのだが、どこにもそんな様子はない。もうすぐか、もうすぐか、と思いつつ歩いたのだがまるで現れない。そうこうしているうちに馬乗馬場付近で道を間違えて
しまった。場所ははっきり覚えていないが、道が二手に分かれており、行き先表示がなかったので先でまた一緒になるだろうとタカをくくり左の道へ行ったが、道は尾根から離れてしまい地図にない林道に出てしまった。(このコースを行かれる方は注意されたい。行き先表示のない分岐は右へ行くのが正しいです。)
再び尾根に戻り先を行く。カタクリにはとうとう会えずじまいでガックリしながら進むと、しばらくして明るい尾根になり、ピンクのツツジがところどころ見えだした。まだつぼみの株も多いのだが、新緑の中のピンクはとても鮮烈である。派手目のフィルムを詰めたカメラのシャッターをたくさん押しながら行くとやがてツツジも一段落する。そのうち権次利峠で名栗からの道を合わせ、10分ほど歩けばそこは棒ノ嶺の山頂である。
山頂はかなりの人でごったがえしていた。道を歩いているときはそれほど多いなとは感じなかったのだが、ちょうどお昼時のせいだろうか。大きな団体登山のグループはあまりいなかったと思う。
山頂は開けてはいるが、それほど眺めは印象に残らなかった。低い山でもあるし、この季節は昼くらいになると霞みがかかってしまうということもある。冬ならばある程度スッキリ見えるだろう。
昼飯もそこそこに山頂を後にする。先ほどの権次利峠に戻り、名栗に向かって白谷沢を下りることにした。途中岩茸石にて左に道を行くが、ほんの少し先に木々の開けた箇所があり、そこからヤマザクラの咲く斜面を望むことができた。さすがに花は終わりかけであり、全盛期よりもやや茶色がかっているのが残念だ。しかし新緑とのコントラストはなかなか良かった。
道は白谷沢に下り、いくつかの滝のそばを歩く。たいしたこともないと思っていたのだが、時々クサリ場があるなど変化に富んでおり、全くの初心者向けコースではないようだ。また、徒渉もあるので雨の日は避けたほうが良いかもしれない。
3時くらいに名栗湖に下山した。車道を歩いて「さわらびの湯」へ向かう。ここは公営の温泉施設で、料金は3時間800円とちょっと高い。露天風呂もないが、登山の後なので気持ち良く入れた。
まだ時間が早かったせいか、入場待ちもなかったのは幸いであった。
奥武蔵の山域に入ったのは初めてだったが、西武沿線にはほかにも面白そうな山がたくさんある。
また来たくなる山域である。(了)

帰りは国際興業のボンネットバス「さわらび号」に乗った。これは土日のみの運転で、飯能駅との間を結んでいる。バスは昭和40年代のいすゞ製。現代のバスに比べて短く、かわいいバスである。
子供連れの方にはおすすめです。